(写真=Sam Spicer/Shutterstock.com)
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「お店ゼロ」の集落に飲食店を作りたい!若き2児の母の挑戦

2019.1.29
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日本の都市部ならどこでも、少し歩けば24時間営業のコンビニエンスストアや飲食店がすぐ目につきます。地方都市でもそのような場所が増え、どこに住んでも便利に暮らせるように錯覚してしまいがちですが、そんな現代の日本においても、日常の買い物や外食に不便さを残している地域はまだまだあるのです。今回は、日本の小さな離島に暮らす、2児の母が立ち上げたクラウドファンディングをご紹介します。

お店がない?リゾートの島が抱える問題

国内の離島の中には、スーパーやコンビニが少ないだけでなく、飲食店がまったくない集落もあるようです。それが今回ご紹介するクラウドファンディングプロジェクトの中心地、加計呂麻島(かけろまじま)にある西阿室(にしあむろ)集落です。リゾート地として観光客を多く迎え入れる一方で、西阿室集落には地元に住む人々が訪れる飲食店がありません。

加計呂麻島は、鹿児島県奄美大島の南に位置する島です。人口1,200人ほどの小さな島には、青く透き通った海をはじめとする大自然があり、多くの観光客を引きつけてやみません。小さい島ながらも観光地ということから、この島には民宿やゲストハウスをはじめ、宿泊施設は豊富にあります。

ところが、加計呂麻島の集落の中には、飲食店が一つもない地区もあります。また、お店も少ないことから、気軽に食べ物を購入することも難しい状況となっています。加計呂麻島に来たけれど、飲食店がない、あるいは飲食店から遠い集落に宿泊してしまって困ったという経験をした観光客も多くいるようです。

立ち上がったのは移住者の2児の母とイラストレーターたち

このような状況を受けて、加計呂麻島に移住し生活している一人の女性「マム」さんが立ち上がりました。マムさんは子ども2人を抱えながらも、自身が住む西阿室集落に飲食店を作りたいと一念発起。やがて、クラウドファンディングでお店を作るための資金を募り始めました。プロジェクトのページに掲載している解説イラストは、同じく加計呂麻島で体験移住をしているイラストレーターの「chaz(ちゃず)」さんが担当しています。お店となる空き家の改装工事も、2人に加え男性が1人と小規模で進めています。

クラウドファンディングのプロジェクトは2018年10月に終了し、最終的に455人の支援者から、目標の100万円を大きく超える約210万円が集まりました。支援金は2018年12月に届けられ、現在マムさんは着々とプロジェクトを進行中のようです。

子どもから高齢者まで安心して集える場を作る挑戦

観光客も困ってしまうことがあるという、西阿室集落の飲食店事情。このプロジェクトの支援金で作られるお店は、飲食店が少なく不便な思いをしている観光客だけでなく、地域の人々が集まり交流できる場も担っていく予定です。

飲食店の名前は、「お食事処 もっか~mocca~」。住民が食べ物を持ち寄り宴会を行うという島の風習の雰囲気を、あたかもお店の中に持ち込んだような、リラックスできる空間となるよう設計されています。

海を一望できるテラス席と、店内には宴会席、さらにはお風呂やシャワー、洗面室、休憩所を完備。海水浴客や急な雨に降られて濡れてしまった観光客にも優しいつくりとなっています。小さな子どもから高齢者まで、そして地域住民から観光客まで、この島にいるすべての人の憩いの場となる飲食店づくりが続けられています。

小さな島の大きな夢を支えるクラウドファンディング

今回のプロジェクトの立案者であるマムさんは、もともとクラウドファンディングを利用せず、自費のみでコツコツとお店作りを行っていました。しかし自身の生活もあることから、工事は思ったように進みません。

楽しみに待つ地域住民のためにも早く作り上げたいと考えていたところ、クラウドファンディングの存在を知り、プロジェクトを立ち上げたということです。地域住民だけでなく、多くの人からの支援を集めることによって実現が加速した、小さな島の大きな夢。クラウドファンディングによって、加計呂麻島西阿室集落に生まれる予定の飲食店は、これから、多くの人の憩いの場になっていくことでしょう。

 
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