Crowdfunding

新興国の貧困を救う?融資型クラウドファンディングの可能性

2019.1.18
SHARE
企業や個人を支援してリターン品を受け取る購入型クラウドファンディングが一般に浸透している中で、社会貢献しながら投資できる融資型クラウドファンディングも存在しています。融資型クラウドファンディングでは、資産運用を行いながら社会貢献にも参加できます。新興国の貧困を救えるかもしれない融資型クラウドファンディングと、具体的な仕組みとしてのマイクロファイナンスについて紹介します。

新興国マイクロファイナンスとは

融資型クラウドファンディングとして、貧困層に少額の融資を行う「マイクロファイナンス(小規模融資)」という仕組みがあります。新興国向けのマイクロファイナンスの融資対象者は生活困窮者や企業、店舗などです。借り手は担保を用意する必要がなく、安定的な職業に就いていなくても融資を受けられるのが特徴です。

この金融サービスは寄付やチャリティとは異なります。融資に対して金利が設定されています。貧しい人たちを対象に貸し付けられるマイクロファイナンスは、借り手にグループを形成させる「グループレンディング」という連帯保証制度を採用することで高い返済率を実現しています。

完全な慈善活動ではない理由は、「施しだけを受けると、人は自尊心や自立心を失ってしまうからその人のためにならない」という考えのもとに生まれた仕組みだからです。返さなければいけないお金であれば、返すためにどうやって仕事をするのか、どうやって生活をするのかを考えながらお金を使い、労働するようになるでしょう。

自分の資産を貧困にあえぐ人々にシェアし、その見返りとして金利を受け取る。社会貢献しながら資産運用もできるのがマイクロファイナンスなのです。

グラミン方式によるグループレンディング

新興国向けのマイクロファイナンスを生み出したのは、バングラディシュのグラミン銀行総裁だったムハマド・ユヌス氏です。同氏は1976年に始めたこのシステムにより、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。

グラミン銀行が行ったマイクロファイナンスでは、融資の際にいくつかの要件を設けていました。まずは血縁関係のない5人でグループを組み、規則や手順について1~2週間の研修を受けます。その後試験を受け、融資可能と判断されると貸し付けが行われます。はじめは5人全員ではなく、リーダー以外の2人だけに融資を行い、きちんと返済されれば次の2人に、それも問題なければ最後にリーダーに融資が行われます。

これを一つのサイクルとして繰り返すことで信用が積み重なり、貸し付け可能額が拡大します。貸し付けは短期的なもので、返済は毎週もしくは2週間に1度というスパンになります。ただし、2002年にグラミン銀行は融資スキームを変更し、現在ではこの方式はとられていません。

今日におけるマイクロファイナンス

すでに60ヵ国以上で利用が広まっているマイクロファイナンスは、グラミン銀行で誕生してから30年以上の時を経て、少しずつ形を変えています。新興国では銀行口座を持たない人が多く、借りた現金の預け先や送金先、そしていざという時の保険もありませんでした。現在のマイクロファイナンスでは、貸し付けだけでなく、預金や送金、保険などにもサービスが広がり、新興国で大きな意義を持つものとなりました。

マイクロファイナンスは、貧富の差という世界的な課題に対して金融的な手法を用いて解決に挑んでいるともいえます。

非営利法人による善意の活動にも限界があります。なぜなら、その活動資金の多くを「寄付」という不安定なものに依存しているからにほかなりません。善意の活動も資金がなければ継続は困難を極めるでしょう。活動資金を寄付だけではなく、金利による貸し手のメリットも追求しながら貧困問題と向き合っているのがマイクロファイナンスなのです。

社会貢献や慈善活動に興味がありながらも、「ただお金を寄付するだけでいいのだろうか」と疑問を持つ人もいるでしょう。マイクロファイナンスは新興国の貧しさと向き合い、それぞれが経済的に自立できるような仕組みを作っています。寄付だけでは短期的な支援に終わる場合も、マイクロファイナンスを通すことで持続的なものにできるのです。

クラウドファンディングによるマイクロファイナンスを活用してみよう

融資型のクラウドファンディングでは、ファンドという形で資金を募り、新興国へ資金を届けます。こうした融資型クラウドファンディングとして「クラウドバンク」があります。クラウドバンクを利用することで、個人でも少額からマイクロファイナンスに参加できます。

融資型クラウドファンディングには貸し倒れのリスクがあるものの、預貯金よりも利回りが高いのが特徴です。資産を預貯金として保有しているのであれば、その一部を新興国の人々にシェアする気持ちで融資してみてはいかがでしょうか。

 
SHARE

Official Twitter