(写真=sezer66/Shutterstock.com)
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Culture

画面の向こう側に行ける?17時間で目標額を達成した話題のVRゲーム

2018.12.25
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「大好きなキャラクターがいる画面の向こう側に行きたい」というアニメ・ゲームファンの願いは、VR(バーチャルリアリティ)の登場によって、もはや夢ではなく、現実に叶えられる段階まで来ています。制作のためのクラウドファンディング開始からわずか17時間で目標支援額を達成し、話題となったVRゲーム「東京クロノス」をご存知でしょうか。経験豊富な制作スタッフが作り上げようとしているこのVRゲームと、そのクラウドファンディングの内容に迫ります。

部屋の内見や旅行など様々な分野で活用が進むVR技術

VRとは、バーチャルリアリティ(仮想現実)の略称です。コンピューターで作り上げた仮想空間を現実のように体験できるシステムで、ゲームだけでなく、現在ではさまざまな業界で利用が進められています。例えば不動産業界では、VRを使った遠隔内見システムや建設前に住宅内を歩けるシステムなどを開発・利用しています。そのほか、社員研修、VR広告、教育分野や旅行・観光分野でも活用が広がっており、VRの利活用は今後ますます広がりを見せていくでしょう。

「東京クロノス」が注目を集めた理由

プロジェクト開始からわずか17時間で目標額を達成し、最終的にはクラウドファンディングプラットフォームであるCAMPFIREで813万7,855円、KICKSTARTERでは9万625ドル(約1,000万円)を超える資金を調達し、東京クロノスは世界的な話題となりました。

ゲームの内容は、幼馴染である8人の高校生が時が止まった渋谷に閉じ込められ、誰もいない街でメンバーが一人ずつ消えていく謎を解く、VRミステリーアドベンチャーゲームです。ストーリーを読み進めていく、いわゆるノベルゲームとなっており、仮想の世界に作られた渋谷の街を歩きながら謎解きを進めていきます。

キャラクターたちと同じ空間にいるような感覚を得られる立体音響システムと、360度に広がる仮想空間の渋谷の街。思わず物語に入り込んでしまうサスペンスなストーリー展開。この次世代ミステリーアドベンチャーゲームの開発を進めるのは、2016年4月に設立されたばかりのベンチャー企業であるMyDearestです。

監督に柏倉晴樹氏、シナリオにはミステリー作家の瀬川コウ氏、プロデューサーにはソードアート・オンラインなどを手掛けた三木一馬氏、キャラクターデザインには人気イラストレーターLAM氏と、豪華な制作陣も話題のひとつとなりました。

・ゲームの「制作共犯者」になれる

これらの要素に加え、世界中から1,800万円を超える資金を調達するまでに注目を集めた理由は、「制作共犯者」というキーワードに隠されています。

社員数わずか10名、そしてそのほとんどがクリエイターという同社では、宣伝にまで力を注ぐことが難しく、PRを課題としていました。そこで生まれたのが、この「制作共犯者」という概念です。プロジェクトの支援者は開発過程を見られるだけでなく、制作共犯者として作品へのアイデアを提案したり、国内のイベントを企画したりと作品づくりに直接関わることができます。

「世界中でヒットする日本のVR作品を作る」という制作側の熱い思いを間近で受け取り、さらに自分の意見をそこへ届けられるというのは、アニメ・ゲームファンにとって、とても魅力的なものだったのではないでしょうか。

クリエイターを直接支援できる、クラウドファンディングの強み

さらに、「クリエイターに直接支援できる」というのもクラウドファンディングならではの強みです。作品そのものだけでなく、プロジェクトに参加しているクリエイターを応援する気持ちで、支援することができます。クラウドファンディングでファンからの資金的な支援を募り、話題性で新規ファンを獲得していくことで、クリエイターは資金やPR方法への不安を解消しつつ、作品づくりに注力できるというわけです。

作品とクリエイターをクラウドファンディングで支援してみよう

クラウドファンディング開始から、「制作共犯者ミーティング」と名付けられたファンイベントを開催し、制作状況を共有したり、ファンと声優や制作陣との交流を深めたりしながら、開発を進めている東京クロノス。対応ハードは、Oculus Rift、Oculus Go、HTC vive、PlayStationVRで、リリースは2019年春を予定しています。

今後もクラウドファンディングは、東京クロノスのようなクリエイティブな作品を作り上げるための資金調達の場としても、利用され続けていくに違いありません。自分が好きなクリエイターが参加しているプロジェクトと出会った際には、応援の気持ちを込めて支援してみてはいかがでしょうか。

 
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