(写真=Ihor Bondarenko/Shutterstock.com)
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Culture

日本人の魂を取り戻せ!刀剣修復プロジェクト

2019.2.8
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日本刀は以前から海外での根強い人気がありましたが、近年は国内でもゲームやアニメの影響から「刀剣好き」が増えています。日本刀への興味が高まっている中で、クラウドファンディングによる刀剣修復プロジェクトがいくつも立ち上げられ話題を呼んでいます。

刀剣修復プロジェクトはこれまで何度か行われており、その都度人気を博しています。今回ご紹介するのは、京都の「本能寺」に現存している刀剣修復プロジェクトです。かつて、織田信長が家臣の明智光秀の謀反によって絶命した本能寺には、どのような刀剣が眠っていたのでしょうか。

本能寺で刀剣の由来は

戦国時代、天下統一を目指して着々と各地を統治していった織田信長は、家臣・明智光秀の謀反によって本能寺で自害してしまいます。戦国時代に多くの武将が出入りしていた本能寺には、現在、修復できずにいる刀が10振(ふり)残されています。第二次世界大戦後、日本では進駐軍によって多くの日本刀が接収されました。今なお本能寺に現存している刀剣は、武器ではなく美術品として認められて返還されたものです。

クラウドファンディングで修復予定の10振には、歴史的価値が高いものもあります。10振のリストは以下の通りです。
  • 眠竜子壽(江戸末期)
  • 村正之劔(室町時代)
  • 不動國行(江戸初期)
  • 南無妙法蓮華経(室町時代)
  • 馬加剣(江戸中期)
  • 助光刀(室町時代)
  • 鎧通(室町時代)
  • 無銘(室町時代)
  • 包久(江戸中期)
  • 金道(江戸中期)
これらの刀剣は資金が集まり次第順次修復され、2018年9月29日から12月23日まで開催された「本能寺刀剣展」にて追加展示されました。この刀剣展では、すでに修復保存されている本能寺とゆかりの深い刀も展示され、織田信長の一の家臣である森蘭丸が所持していた大太刀も初めて一般公開されて話題を呼びました。

・日本刀の不思議な魅力

日本刀は武器として優れているだけでなく、美術品としての価値が高いものもあります。長さや反り具合、波紋の入り方などによって美しさが判断され、それによって価値も異なります。また、その刀の背景にある歴史的な意味も魅力の一つです。有名な武将が所持していた刀で、それにまつわるエピソードなどがあれば「名物」と呼ばれ、銘ではなく「号」がつけられます。名刀は権力者のもとに集まるため、織田信長や豊臣秀吉など有名武将を渡り歩いた日本刀もあります。

修復前の日本刀にはさびや傷が目立ち光を失っているものも多くありますが、修復することで輝きを取り戻し、より魅力的な姿になるに違いありません。

クラウドファンディングで千年後の子孫に価値を伝える

現在、クラウドファンディングではさまざまなプロジェクトが成功を収めています。特に人気を得やすいのは、支援を行うと特定の商品が入手できる購入型のものです。刀剣修復プロジェクトでは、本能寺宝物殿の年間パスポートや御朱印帳、森蘭丸所持の大太刀のレプリカなどがリターン品となっています。

ただし、刀剣修復プロジェクトに参加する意義はリターン品を受け取ることではなく、「百年後、千年後に残る日本の宝の修復に参加できる」点にあります。もしかすると千年後、子孫たちが本能寺に保管されている刀剣を眺め「この刀剣の修復の際に先祖が援助を行ったのだ」と、遠い過去へ思いを巡らせるかもしれません。

さまざまなプロジェクトで伝統文化の継承を支援

支援して終わり、リターン品が送られて終わりではない、未来に残るプロジェクトに気軽に参加できるクラウドファンディングは刀剣修復プロジェクト以外にも複数あります。演劇文化を未来に残すためのプロジェクトもあれば、豊かな自然を後世に残すために立ち上げられたプロジェクトもあります。皆さんもぜひ、気になるプロジェクトに気軽に参加してみましょう。

 
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