(写真=Jacob Lund_Shutterstock.com)
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無業の若者を「育て上げネット」で支え、育成と社会投資を実現

2019.7.8
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認定NPO法人「育て上げネット」は就業や就学でつまずいた若者たちを支援することを目的に活動を続けています。企業や行政と連携しながら、若者本人とその家族を全面的に支援する活動領域や支援方法をピックアップし、日本における若者育成の重要性をご紹介します。

社会に適応できなかった若者を支援する認定NPO法人

育て上げネットは、社会に適応する過程でつまずいた若者を育てること、支援することを目的とした認定NPO法人です。就職支援、教育事業のほか、若者の家族を支えるコミュニティの運営も行い、企業や行政と連携した包括型の支援を実現しています。

認定NPO法人立ち上げの背景には、日本が抱える労働力の課題があります。日本の長期失業者(失業期間が半年あるいは1年以上)はリーマン・ショック以降しばらく増加傾向にあり、特に若年層における長期失業が顕著でした。少子高齢化が進む中で働き手不足の解決は急務である一方、若者の自立が困難な社会に変容しつつあるのです。

文部科学省が行った「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2016年)によると、全国の不登校の小学生は3万1,151人、中学生は10万3,247人にのぼります。さらに「不登校児童生徒数の推移」によれば、不登校生徒の数は2013年から5年間連続で増加しました。これらのデータは、就学につまずいたまま社会的自立が困難になる若者の増加を示唆しています。

こうした若者たちの、社会経験の穴を埋めることを目的とした「育て上げネット」は、若者への教育が社会への投資につながることを訴え、寄付金を募りながら活動を続けているのです。

年齢層や目的に応じた支援プログラムを実施

育て上げネットは、若者の年齢層や課題意識に応じて適切なプログラムを提供しています。メインプログラムの一つ「ジョブトレ」は、スモールステップを設定した就労基礎訓練プログラムです。

若者一人ひとりの状況をスタッフがヒアリングし、その上で、働くために必要な基礎力を養う軽作業から、実際の職場で働く実践までさまざまな業種の企業が連携しながら進めていきます。プログラム卒業者の多くが就職し、そのうち81%が働き続けられています(2015年3月実績)。

また、学校での学びにつまずいた学生を対象にした出張授業「コネクション」シリーズや、学校以外の場づくりと学習意欲の創出を目的としたスペース「まなびタス」の提供など、学校でつまずき、不登校や引きこもりの状態を続けている子どもたちの救済も進めています。

これらのプログラムや場に参加するためには参加費が必要ですが、中には経済的な理由で参加が難しい若者もいます。そうした経済的困窮者のために、育て上げネットでは、寄付金によって参加費を補う「若者就労応援パッケージ」を用意しています。

投資サイドの寄付プランも充実

育て上げネットの寄付は1口3,000円から用意されており、単発プランと年間継続プランのいずれかを選択することができます。寄付金は「寄附金控除」の対象となるため、節税効果があることも寄付の利点の一つです。

寄付金による支援のほか、本や衣服を提供することを通じた支援もあります。リユースやリサイクルの効果もありながら、提供された物品の査定額はそのまま寄付されるので、不要品がある場合は効果的な支援方法です。さらに、指定の商品を購入することによる寄付や、レストランでの飲食を通じた寄付など、さまざまな企業と連携することで実現した多彩なプランが揃っています。

育て上げネットの活動を支援する法人団体にはグーグルや日本マイクロソフトなど大手企業が名を連ねるとともに、寄付の選択肢を広げる連携を行っているバリューブックスやワジャなども挙げられます。ジャンルを超え、多くの企業が社会貢献につながる若者の育成に関心を持ち、手を取り合っているのです。

このような協力団体の広がりや支援参加への障壁をなくす工夫がある一方で、寄付による支援は2015年で収入内訳の16%にとどまっています。育て上げネットでは、近年若者の保護者を支えるための事業展開も増加させており、今後の活動の拡大にはより多くの人々からの協力を必要としています。

若者の教育は、未来の社会を育む

複雑に絡み合う社会問題の解決には、相互が協力し合い、大きなムーブメントを作り上げていく意識が必要です。そして、その中でも社会そのものに影響を与える可能性を秘めているテーマの一つに、「若者の育成」があります。育て上げネットへの寄付を通じ、未来を担う若者たちの社会自立を促進することが、今後の日本を変えていく鍵となるかもしれません。

 
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