(写真=metamorworks/Shutterstock.com)
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ファンドレイジングとは?「善意の資金」を巡る日本の現状

2018.12.19
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NPO法人の資金調達を指す「ファンドレイジング」は、社会貢献に関心のある人々の心と行動によって広がっていくものです。日本ファンドレイジング協会の取り組みやビジョン、日本の現状の紹介を通じ、社会貢献したい場合にはどのような一歩を踏み出していけばよいのかを考えます。

日本ファンドレイジング協会の取り組み

ファンドレイジングとは、NPO法人が活動を維持していくために資金調達することです。そして、その資金調達を担う役割の人をファンドレイザーと呼びます。NPOの資金調達方法は、寄付のほか、事業収入、会費、助成金などさまざまな種類があり、それらすべてを総合して資金調達の戦略を練り、実行するのがファンドレイジングです。

資金調達をあえてファンドレイジングと呼ぶのは、企業が行う資金調達と違い、NPO法人におけるファンドレイジングは「活動の訴求」という役割もあるためです。資金調達は、NPO法人の活動を支える大切なエネルギーであり、それに関わる支援者は活動への共感を前提としています。したがって、社会貢献に資する活動を適切に行っているNPO法人であればあるほど、その活動を広げていくことと支援者を増やしていくことは、同義になるのです。

日本ファンドレイジング協会では『「善意の資金」10兆円時代へ』を2020年に向けたビジョンとして掲げ、社会貢献に資するファンドレイジングが日本で普及するためのイベント開催や、情報発信を続けています。

ファンドレイジングをテーマとして開催される定期イベントの参加者は、2010年の開始当時は400名だったのに対し、2015年には1,200名にまで増えています。国内外のファンドレイジングに関わる事例や現状を話し合う機会を設けることで、社会貢献活動をどのように広めていくか、意識付けるきっかけを作っています。

日本ファンドレイジング協会を基軸に、ファンドレイジングについて学ぶ書籍販売や、イベント紹介など知識の普及が進んでいます。また、今後の社会を担う子どもたちに対して、相互協力の意識を育む取り組みなども広がりつつあります。そういった学びの場にアクセスすることが、ファンドレイジングに興味を抱いた人の最初のアクションとして適切でしょう。

富裕層の資金を活用するための取り組み

日本ファンドレイジング協会では、こうした教育の土壌作りのほか、具体的な寄付を考える富裕層と寄付を求めるNPO法人をマッチングする活動も行っています。日本ファンドレイジング協会が発行した「寄付白書2015」によると、40歳以上の日本人の約21%が寄付行為に興味を示すものの、実際に寄付のアクションを起こせない現状がファンドレイジングの普及を妨げていることが分かります。

日本ファンドレイジング協会は、適切な寄付先を紹介する地域別のマッチングシステムを設置し、富裕層が安心して寄付を行える環境作りを進めています。同様に、トラブルへの懸念から普及が進まない「遺贈」に関しても、成功事例を増やすことを目的に取り組んでいるのです。

こうした富裕層の資金を、NPO法人の運営を通じて社会に還元していくためには、資金を持つ富裕層の人々が社会貢献に興味を抱くことが前提にあります。社会貢献とひとことで言っても、内容は地域に関わること、国際的なもの、発展に寄与するもの、あるいは歴史や遺産を継いでいくためのものなど、多種多様です。

「社会的インパクトセンター」は、社会課題に取り組むNPO法人の社会的インパクト(投資する価値、長期的に見た影響)を可視化することを目的として作られた、日本ファンドレイジング協会が運営する組織です。ファンドレイジングがもたらす価値や、より高い社会的価値を生み出すシステムによって、社会課題解決に投資する文化が一般的になることを目指しています。

社会貢献を一般化していくために

こうした取り組みの結果が、明確に社会に変化を起こすまでには、長い年月が必要でしょう。しかし、一人でも多くの人がこうしたファンドレイジングの概念を理解し、共感したうえで社会課題に向き合おうという姿勢を持つことが大切です。ファンドレイジングへの参加は決して大げさなものではなく、日常的な課題意識の変化やファンドレイジングそのものを学ぶことから始まります。社会貢献の一般化に向け、自分が試せることから始めていきましょう。

 
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